プラントエンジニアの視点から、個人的に注目している銘柄の分析・まとめを行います。
今回は、伝動ベルトメーカーの 三ツ星ベルト株式会社 です。
世の中の多くの動力は、燃料や電気によってエンジンやモーターを動かし、
往復運動や回転運動を様々な方法で機械に伝達・変換し、その機能を発揮させています。
その過程には伝動部品が必須で、その方法は使用する部品によって
ギア式、ベルト式、シャフト式、ベルト式に大別されます。
三ツ星ベルトは、その内の伝動ベルトの老舗メーカーです。
自動車、一般産業機械、ベルトコンベヤのベルトを国内外で高いシェアを誇ります。
*注記
本記事は2024年5月現在の情報に基づき作成されています。
特定の株式に関する個人的な分析内容を提供するものであり、投資そのものを推奨するものではございません。
投資に関する意思決定は個人の責任において行われるべきものであり、投資判断の参考情報としてご活用ください。
また、投資に伴うリスクについても十分にご理解いただき、ご自身の投資目的やリスク許容度に基づいて
行動されるようお願い申し上げます。
【参考】
・三ツ星ベルト株式会社 ホームページ
・三ツ星ベルト株式会社 IR情報
・IR BANK 5192 三ツ星ベルト_決算
・Yahoo!ファイナンス 三ツ星ベルト株式会社
・openwork 三ツ星ベルト株式会社
プラントエンジニアへの投資のススメは以下の記事にて。
個別銘柄のオススメではなく、投資をする意義についてまとめています。
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事業内容
・国内トップシェア。同業のバンドー化学と国内外でしのぎを削る伝動ベルト祖業の老舗。
・海外ベルト事業の売上比率が53.4%、海外拠点14拠点。国内外に収益の柱がある。
・ベルト事業以外では、建設資材事業7.4%、その他(化学塗料など)6.2%と、ベルト事業が収益の柱。
・海外の発展途上国、新興国での自動車産業拡大が今後も見込まれており、
海外を中心に今後のベルト市場規模も拡大が予想されているため、海外事業が今後も収益の柱。
(電気自動車の今後の展開によっては、内燃機関向けベルト市場の縮小リスクもあり)
・OpneWorkのスコアは3.03。業界内上位35%の高評価。
100年企業ということもあり「ザ・JTC」という雰囲気のコメントが多いが
近年の経営層代替わりによる社内環境の変化に好意的な意見も見られる。
(ライバルのバンドー化学株式会社はスコア2.84とやや下回る)
業績推移
・2008年/リーマンショック、2020年/コロナ禍の影響の打撃は、自動車業界を筆頭に各産業の波を受け目立つ。
・上記の暴落イベント以外は営業利益率10%以上・ROEは8以上と好成績で、売上・EPSは右肩上がりを続けている。
・中期経営計画ではFY2030目標を 売上高1,000億円/営業利益130億円、ROE10%以上 としている。
財務状況
・2015年以降、有利子負債比率は10%以下で自己資本比率も70%以上を維持した安定財務。
・総資産額も伸び続けており、近年ではキャッシュを成長投資、株主還元、
起動的アロケーション(M&A・オープンイノベーション)、自己株式取得に回す計画を表明するなど
積極的な事業成長・研究開発投資と株主還元へのキャッシュ・イン姿勢を表明。
(参考:三ツ星ベルト株式会社 ’24 中期経営計画)
配当情報
・前述のキャッシュ・イン表明を踏まえて、直近’23~24年度は配当性向100%を目標としており、
2024年度の中期経営計画による、2026年度のKPIにも一株配当180円以上を設定している。
・’24/07/06時点の配当利回りは3.96%。
・株主優待は特になし。
まとめ
世界でも高いシェアを誇る老舗の伝動ベルトメーカー、三ツ星ベルト株式会社の銘柄研究まとめでした。
祖業の伝動ベルトで100年企業となり、今なお成長と事業成長・株主還元を強く打ち出す
力強い企業であるという印象を受けます。
売上市場が景気敏感セクターが多いものの、
海外では発展途上国、新興国での自動車需要の今後の伸びは確実です。
電気自動車が上記の国々でどのように自動車販売シェアを伸ばしていくか、
それに対して伝動ベルトメーカー各社がどのような事業展開を進めていくかは時代の流れを負う必要があります。
しかし、それに対する積極的な研究開発投資や株主還元姿勢の見れる三ツ星ベルトなら
これからも末永くお付き合いしたい銘柄です。
それではまた次回、⛑ご安全に!⛑
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