プラントエンジニア + 投資のススメ

書籍情報

今までのプラント設計に関わる基礎情報のまとめや、資格取得に関するまとめとは
少し趣旨を変えて、今回はプラントエンジニアと投資について話しをしたいと思います。

私が思う、プラントエンジニアと投資の相性の良さ
プラントエンジニアが投資を通して得られるものについてまとめました。


私の投資スタンス・ポジションと今時点での資産運用状況についても
お見せできる範囲で触れて、皆さんの判断材料にして頂ければと思います。

プラントエンジニアに投資を勧める4つの理由

プラントエンジニアに投資を進める理由は、以下の4つです。

① 他業種と比べて若年層でも給与+各種手当が高いが、お金を使う機会が少ない
② 業務を通して様々な業界の動向や特徴に触れる機会が多い
③ 他業種よりもBtoB企業のセクター(機械・化学・電気機器・精密機器など)に関する企業の基礎情報に触れる機会が多い
④ 前述の②③を踏まえた投資を行うことで、エンジニア+投資家目線での視座を持てる

他業種と比べて若年層でも給与+各種手当が高いが、お金を使う機会が少ない

過去にプラントエンジニアの業務形態の紹介で給与の話に触れた通り、
プラントエンジニアは所定外給与(休日/深夜残業代以外の、出張手当、宿泊手当、移動手当)による実入りが大きいです。
特に若いうちから現場駐在するようなプラントエンジニアは以下のような状態です。

① お金を使う場所が無い
 基本的に、市街地のド真ん中にプラントは建ちません。
 環境的にお金を使う場所が少ないので、自然とお金が貯まります。

② お金を使うヒマが無い
 緩い工程のプロジェクトはまずありません。スケジュールは常にタイトです。
 ほぼ宿と現場の往復のみの日々が、数カ月~数年続いたりします。

③ 海外プロジェクトの場合、現地の通貨の円為替レートが有利、生活コストが低い
 直近は円安が続いていますが、ドル円相場での円安です。
 プラントが必要となる外国=社会・産業インフラが成長している発展途上国が多いため
 基本的にその国の通貨に対し円高であるケースがほとんどです。
 また、サービスの質に目をつぶれば日本よりも生活コストは低いため支出が抑えられます。


上記を踏まえると、プラントエンジニアは投資における必勝法である
・福利の効果  = 時間を味方につける
・入金力は正義 = 投資金額が大きいほど福利効果が大きい
の2つを、若いうちから最大限発揮できる環境にいます。

つまり、
・通常の給与+種々の手当で得た所定外所得を
・不必要に浪費せず、強制的に節約されるような状況で
・若いうちから優良な投資に回して積み立てる
という、投資による資産形成を始めるにあたって、有利な条件が揃っています。

業務を通して様々な業界の動向に触れる機会が多い

プラントエンジ会社と、メーカやゼネコンとの違いのひとつに
扱う機器・計器・素材や、関連する施工業種の多さが挙げられます。
言い換えれば「調達における幅広さ、接点の多さ」です。

業務を通して各業界シェアについて詳しくなったり、業界トップシェア企業の強みを直接理解したり、
各業界同士の関連性や、景気動向に応じた各業界の繁閑も肌で感じて覚えることができます。

また、プラントエンジ会社によっては多種多様な顧客のプラント建設に携わるため
エネルギー、化学、機械、医薬、食品、半導体など、それぞれの顧客の業界への理解も深まります。

経験的に身に付いたそれらが、投資判断の材料として他の業種よりも活きてきます。

景気敏感株とされるセクターの企業への理解が深まる

プラントエンジニアが接点を持つ企業(顧客であったりベンダー)は
機械・化学・電気機器・精密機械の製造メーカーであったり、
金属製品・鉄鋼・非鉄金属・ガラス/土石製品・ゴム製品などの素材系メーカが多いです。
これらは、株式市場のセクター分類でいうと「景気敏感株」とされる業界です。

資源に乏しい日本は、上記のセクターに属する企業(広義の製造業業界)が
ものづくりを通して付加価値を高めることで利益を生み出してきた歴史があります。

その中でも、世界的に見てもニッチトップな日本企業は多く、
世間的な知名度は低くても、優良で底堅く成長を続ける中小型株の企業があります。

一般的に、冒頭で挙げた業界はB to B企業が多いため業界に従事している方でないと
業界の景気感や、各企業の実力や成長性の実態は捉えにくいでしょう。
(そもそも世間一般の方は名前も知らない企業が多い)

プラントエンジニアは、そのような企業とも接点を持つ機会が多いため、
景気敏感株と言われるセクターからも、優良な企業への投資を行う判断材料を得ることができます。
これは個別株投資を行う場合、ポートフォリオのバランスを取るために有利です。

エンジニア+投資家目線での視座を持てる

これは逆の視点になりますが、前述した点を念頭に個人投資家として
各業界への理解を深めることで、エンジニアとしての視座も高まります。

いち投資家目線で
・顧客の経営面から、自分の仕事(プラントエンジニアリング)の意義を定義する
・顧客や周辺関連企業、顧客の競合他社などを業界全体で俯瞰する

などの癖が付くようになります。

仕事を行う上で、いち顧客担当者と自分の関係だけでなく
顧客企業と自社その業界と自社の今後の関わり方周辺企業とのバランスなど
視座を高く持って周りが見えるようになります。

自身の業務の意義を改めて実感しモチベートしたり、
キャリアパスを検討するための広い視野を持てたりすることで
単なる投資ではなく、自身の仕事への還元も生まれる好循環を生み出します。

私の投資スタンスと今現在の状況

勧めるだけ勧めてオシマイだと尻切れトンボなので、
今まで挙げてきた話を踏まえた私の投資スタンス・ポートフォリオと
今(2024年3月末)現在の状況について触れておきます。

投資スタンスとしては
国内個別株: ここまで話してきた内容がベースの高配当株中心
海外ETF : HDV、SPYD、VYM
投資信託 : 全世界株式(オルカン)
の3つとしています。
冒頭の国内個別株投資がメインで、あとの2つは貨幣分散と投資時間軸の分散を意識しています。

ポートフォリオ全体のバランスはこんな感じです。
生活防衛資金は現金貯蓄です。現金貯蓄は家計管理しながら一定額を維持しつつ、
余った資金のうち毎月一定額を、投資信託と海外ETFに自動積立しています。
さらに自動積立後に残った資金で、タイミングをみて国内個別株を買い増しています。



そのうち、国内個別株投資のセクター別割合はこんな感じです。
およそ6割弱が景気敏感株とされるセクターの銘柄で構成されています。
プラント業界に近しい、化学・機械・ガラス/土石製品・ゴム製品・輸送用機器・電気機器などの割合が高いです。
サービス業は主に建設業界やエンジニア業界の人材派遣業の銘柄であったり、
卸売業も製造業向けやプラント関連製品を取り扱っている商社などが中心です。

ここまで述べてきたことを踏まえた
自分の経験から、より理解が深い銘柄で成長が期待できる企業への投資が中心です。

参考にした書籍など

前述の通り、投資は国内個別株(高配当株中心)海外ETF投資信託(全世界株)の3本柱です。
それぞれの投資を行うにあたり、書籍やウェブサイト・YouTubeなどで情報収集しました。
ここでは特に参考になった書籍を3冊紹介します。


資産運用をはじめるにあたり、入り口として間違い無い本です。
100冊の資産運用や投資関連の書籍を読むコストを、ギュっと圧縮削減してくれています。
これを読んで「あ、ここは自分の知識や理解が足りていない」と思ったポイントや、
「さらに理解を深めて実際に投資活動を始めたい」と思ったことに関して、具体的な書籍へ繋げてくれます。
(同シリーズの、話し方/文章術/勉強法 のベストセラー100冊のポイントを1冊にまとめた本もオススメです)


上記の100冊をまとめたシリーズでもラインナップされている書籍で、
ライオン姿の「両学長」によるYouTube動画も豊富移動中の時間などを有効活用して勉強することができます。
幅広くお金に関する知識が得られますが、特に参考にしたのは高配当株投資に関する知識でした。


ポートフォリオの中で貨幣分散を図るため、外貨資産(ドル)を組み込むにあたり参考にした書籍です。
なかなか勉強しにくい海外ETFについて、多数のティッカーの特徴を分かり易くまとめてくれています。
書店でざっと見た限り、掲載しているティッカー数 x 説明の分かり易さ はピカイチでした。

まとめ と 今後の予定

プラントエンジニアへの投資のススメと題して、
私個人の経験を通して、以下の4つの理由を挙げました。
 ① 他業種と比べて若年層でも給与+各種手当が高いが、お金を使う機会が少ない
 ② 業務を通して様々な業界の動向や特徴に触れる機会が多い
 ③ 他業種よりもBtoB企業のセクター(機械・化学・電気機器・精密機器など)に関する企業の基礎情報に触れる機会が多い
 ④ 前述の②③を踏まえた投資を行うことで、エンジニア+投資家目線での視座を持てる

また、上記を基に実践している私のポートフォリオについても少し触れさせていただきました。
今後も、ブログやSNSで状況や考え方に変化があれば報告していきたいと思います。

さらに今後は、プラントエンジニア目線で気になった銘柄について取り上げて考察する記事にも

取り組んでみようと考えています。頻度ややり方は、需要と反応を見ながら検討していきます。
(*個別銘柄への投資を勧めるものではなく、プラントエンジニア目線での考察記事として)

それではまた次回、⛑ご安全に!⛑

マコト

産業系(食品加工/製鉄/特殊金属加工/電子部品/半導体)、化学系(化学製品/火力発電/バイオマス発電)、環境系(産廃処理/下水処理)など、多岐に渡る業界のプラントで、設計・施工管理・試運転・保守管理の業務全般を経験したプラントエンジニア。
様々な視点から、プラントエンジニアやプラント業界に関わる方にプラスとなる情報を発信したいと思います。

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