給水設備は、建築施工管理技士の試験だけでなく、一級・二級建築士試験でも頻出する重要なテーマです。
建物の機能性や衛生性を保つうえでも欠かせない分野なので、基本的な構造や特徴をしっかり押さえておきましょう。
この記事では、よく問われる設備の種類と特徴を押さえ、試験対策としても活用できる知識を整理して解説します。
そして出題傾向のある過去問のポイントをわかりやすくまとめます。🛠️

給水設備の種類と特徴
建物の給水設備は、建物の階数や用途、周辺の水道事情に応じて適切な方式が選ばれます。
ここでは主要な5つの方式について、それぞれの仕組みや特徴、長所・短所を整理します。
水道直結直圧式
水道本管から直接、建物内に給水管を引き込み、本管の圧力のみで末端まで給水する方式です。
- シンプルな構成で設備が少ない
- 衛生的(貯留部がないため汚染リスクが少ない)
- 維持管理が容易
- 水道本管の圧力が十分でない場合は使えない
- 中高層階には不向き

(参考:東京都水道局 給水方式について)
水道直結増圧式
水道本管の圧力が足りない場合に、給水管に増圧ポンプを設けて、中高層階まで直結で給水する方式です。
- 衛生的(高置水槽が不要)
- コンパクトで屋上スペースが不要
- 断水リスクが低い(貯水設備に依存しない)
- ポンプの設置・電力供給が必要
- 機器の故障時に影響が大きい

(参考:東京都水道局 給水方式について)
高置水槽式
水道本管から受水槽に水を一旦貯め、ポンプで屋上の高置水槽にくみ上げたのち、重力による自然流下で給水する方式。
- 停電時でも一時的に給水が可能(自然流下)
- ポンプが故障しても水槽分は利用できる
- 水槽の衛生管理が必要(汚染リスク)
- 屋上スペースが必要で景観にも影響
- ポンプ・水槽の維持管理が煩雑

(参考:東京都水道局 給水方式について)
ポンプ直送式
受水槽に水を貯め、ポンプの圧力で各階に直接送水する方式。高置水槽を設けずに運用します。
💡頻出ポイント:ポンプからの「直送」であって、水道本管とは「直結」していないので注意!!
- 給水圧の制御がしやすい
- 屋上スペースが不要
- 停電時・ポンプ故障時に給水できなくなる
- 給水圧の変動があると、末端設備に影響が出る

(参考:日本給水タンク工業会 建物の給水システム)
圧力水槽式
受水槽に貯水した水を、ポンプと圧力水槽を用いて給水する方式。
圧力水槽は内部を空気で加圧し、一定の水圧を維持します。
- 比較的安定した圧力での給水が可能
- ポンプの頻繁な起動停止を抑えられる
- 空気圧の維持管理が必要
- 設備構成がやや複雑

(参考:ポエック株式会社 圧力水槽方式加圧送水装置「ナイアス」)
おすすめ資料
株式会社荏原製作所の公式YouTubeチャンネルで、給水方式について詳しく解説してくれています。
まとめ
給水設備は、建物の規模や構造、地域の水道事情に応じて最適な方式を選ぶ必要があります。
直結方式や高置水槽方式、ポンプ直送方式など、それぞれの特性を理解しておくことが
施工計画や維持管理の面でも役立ちます。
試験対策としては、「方式の名前」と「特徴・長所短所」のセットで押さえるのがポイントです。
施工現場でも実際に使われている設備ですので、知識として覚えるだけでなく
「どのような建物に適しているか」まで意識しておくと理解が深まります。
これらの知識は、建築施工管理技士試験だけでなく、
建築士試験や実際の設計業務でも活用できる重要なポイントです。
基本的な考え方を身につけて、試験では確実に得点しましょう!
👇建築施工管理技士の試験勉強におススメの参考書です👇
コメント