建築施工管理技士試験では、金属材料に関する問題が定番テーマの一つです。
建築士試験でも頻出分野であり、基礎的な知識としてしっかり押さえておくと実務にも活かせます。
本記事では、金属材料に関する知識と、よく出る選択肢問題をわかりやすく解説します🛠️

鋼材の種類による特徴
建築構造に使われる鋼材にはさまざまな種類があり
それぞれ製造方法や合金元素の違いによって性質に大きな差があります。
試験では「材質ごとの用途や特徴の違い」が問われることが多く、以下の点をおさえておきましょう。
TMCP鋼(Thermo Mechanical Control Process 鋼)
熱機械的制御加工により、組織を微細化して製造された鋼材。
- 特徴:高靭性(割れにくい)、溶接性に優れます。
- 用途:橋梁や高層建築など、靭性と溶接性が重視される構造物に使用されます。
低降伏点鋼
添加元素をできるだけ抑え、純鉄に近づけた鋼材。
- 特徴:降伏点(変形開始点)が低く、靭性に優れます。
- 用途:地震エネルギーを吸収するダンパー部材に多用されます。
ステンレス鋼(SUS)
主にクロムやニッケルを含む合金鋼。炭素量が少ないほど耐食性に優れます。
- SUS304:オーステナイト系で、非磁性(磁石にくっつかない)。耐食性が高いです。
- SUS430:フェライト系で、磁性あり(磁石にくっつく)。耐食性はやや劣るが価格が安価です。
- 💡頻出ポイント:「SUS304のほうがSUS430より磁性が弱い」
SN材(Steel New 材)
建築構造用圧延鋼材で、「SN490B」などの表記がされます。表記の意味は以下の通りです。
490:引張強さの下限値(490~610N/mm²)
A~Cの違い:
- A材:溶接性を問わない箇所向け(主に非溶接部)
- B材:炭素当量の上限を設け、溶接性・塑性に優れる
- C材:B材に加え、板厚方向割れへの抵抗性を強化(例:ダイアフラム部)
その他の金属材料の特徴
構造材としての鋼材以外にも、建築では様々な金属が使用されます。以下はその代表的な例です。
銅(Cu)
- 特徴:熱伝導性・電気伝導性ともに非常に高い。
- 性質:大気中で酸化すると緑青(ろくしょう)を生じ、これが表面保護膜となって耐食性が高まる。
- 用途:電気設備(銅線ケーブルなど)、雨どい、屋根材など。
黄銅(真鍮、Brass)
- 特徴:銅と亜鉛の合金。亜鉛が30~40%含まれる。
- 性質:展延性に優れ、加工しやすい。
- 用途:水栓金具、装飾部材、管継手など。
鉛(Pb)
- 特徴:X線を遮蔽する性能に優れる。
- 性質:耐酸性はあるが、「アルカリには侵されやすい」(💡頻出ポイント)。
- 用途:医療施設のX線室の壁材、薬品タンクの内張りなど。
まとめ
建築施工管理技士試験では、金属材料の性質・用途・分類記号がセットで問われることが多くあります。
代表的な鋼材であるTMCP鋼、低降伏点鋼、ステンレス鋼、SN材の特徴は必ず押さえておきましょう。
また、銅や鉛など構造材以外の金属も、用途と合わせて覚えておくと得点源になります。
💡学習のヒント
「どのような性能が求められる用途なのか?」を意識して材料を覚えると、実務にも結びついて理解が深まります!
これらの知識は、建築施工管理技士試験だけでなく、
建築士試験や実際の設計業務でも活用できる重要なポイントです。
基本的な考え方を身につけて、試験では確実に得点しましょう!
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