前回まで解説した渦巻ポンプなどの非容積式ポンプに引き続き、
今回は容積式ポンプの中から、スネークポンプについてまとめます。
スネークポンプは容積式ポンプの1つで、
軸ねじポンプの中でも、一軸偏心ねじポンプに分類されます。
その構造と特徴について、それぞれの特徴を説明します。
詳細は後述の通りですが、流量を安定して移送できて、
粘性の高い流体や、多少の空気交じりの流体でも扱えることから
プラントにおいては食料品の移送に適用されますケースが多いです。
関連する主要メーカのお役立ちサイト情報や、初心者向けの書籍についてまとめました。
スネークポンプの送液原理と構造
スネークポンプは、ステーターという外筒と、その中を偏心軸で回るローターで構成されます。
ステーターの内側は螺旋状の通り道があり、ローターも螺旋型に偏心した軸になっているため、
ローターとステーターの隙間(うねとうねの重ならない空間:キャビティー)が生じます。
ローターが回るとその空間内の液体がねじ込まれるように押し出されていく機構になっています。
(参考:兵神装備株式会社 構造と原理【モーノポンプ基本編1】)
スネークポンプのメリットとデメリット
キャビティー部分の空間は常に一定なので定量性に優れ、
モーターの回転数=ローターの回転数をインバータで調整することで
一定の範囲での移送量の調整も可能です。
ステーターが押し込めるまで吐出側へ揚程するので、高い吐出圧を出すことも可能です。
また、ダイヤフラムポンプのように押し出す容積が0→100を繰り返すのではなく
キャビティー空間分の容量を連続的に押し出すため、脈動流にならないのも利点です。
目立ったデメリットはありませんが、大容量の移送には向かない点と
ローターとステーターの接触部は内用液によって冷却・潤滑するため空転は厳禁となっています。
また、摺動部となるローターとステーターが消耗品となるため定期的なメンテナンスを実施し、
そのためのステーター引抜代をポンプ後部に確保する必要があります。
兵神装備が、モーノポンプという商標でスネークポンプを主要製品として扱っています。
なかなかぶっ飛んだ公式動画があったのでご紹介しますw
(参考 : 兵神装備株式会社 ザ・ヘイシンズ『モーノポンプが叶えます』)
渦巻ポンプのように羽根車で流体を激しく搔き乱したり
ダイヤフラムポンプのように流体を押しつぶすような動きが無いため
粘性が高い流体や、固形物を含んだ流体を移送することも可能です。
その特性から、食品工場などで活躍するケースが多いです。
(参考 : 兵神装備株式会社 食品用モーノポンプ)
ステーターとローターが接液部材となるため、
扱う流体に対する耐食性や耐摩耗性を考慮した材質選定の必要があります。
(参考 : 兵神装備株式会社 ENGINEER’sSBOOK)
まとめ
スネークポンプの構造と特徴についてまとめました。
スネークポンプは容積式ポンプの中でも、粘性流体の移送性能に特徴があるポンプで
プラントにおいては明確な役割をもって採用されるケースが多いです。
今回紹介した、兵神装備のENGINEER’S BOOK など、
各メーカごとに基礎知識~メーカごとの主力製品・技術がまとめられています。
初心者~若手プラントエンジニア向けな内容となっているので、ご一読されることをお勧めします。
また、スネークポンプ以外のポンプ全般の「やってはいけないこと」を
分かりやすい図解とともに説明している、初心者必読の書籍についてもご紹介します。
👇👇👇
ポンプ以外の「べからず集」については、過去の投稿でまとめていますので是非ご一読ください!
👇👇👇
次回も引き続き、ポンプ形式に応じた原理原則や、
関連するメーカの特徴と、勉強するのにおすすめなサイトなどを
ご紹介できればと思います。
それではまた次回、⛑ご安全に!⛑
コメント