公害防止管理者(大気関係)試験のいち分野である「大気特論」で
1~2問目に出題されるのは、各種燃料の特徴に関する記述です。
今回は個体燃料のうち、石炭の種類と特徴について、過去問の出題傾向を踏まえて押さえたいポイントをまとめました。
試験では毎年必ず出題される分野で、確実に得点を稼ぎたい設問になります。
脱石炭が叫ばれる時代においても、石炭は日本では重用されている燃料のひとつです。
様々な意見があると思いますが、石炭に関する基礎知識なしで語れるものではないでしょう。
最低限の基礎知識として身に着けておきたい内容です。
受験の有無にかかわらず、是非一度目を通して石炭の特徴を理解しておきましょう。
石炭の種類
無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭、泥炭に関する記述問題が頻出します。
このうちの何種類かの特徴か、それぞれの特性の比較が問われる傾向です。
全般的な比較に関して覚えておくべきことは
・無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭、泥炭の順に高品質であること
・上記を踏まえて「石炭が高品質とはどういう意味か?」の理解を問う比較問題が多いため
石炭における「高品質」が何を意味するかを理解すること
です。
主に「石炭が高品質とはどういう意味か?」の比較指標では
・石炭化度
・発熱量
・比重
・燃料比
・固定炭素量
・揮発分
の大小をからめて出題されます。
個別に覚える必要はなく、石炭そのものへの理解が深まれば
すべてひとくくりで理解することが可能です。
各指標の大小を分かりやすくまとめると
過去問で頻出する、石炭の性状に関わる指標の大小をまとめると以下のようになります。
良い石炭=「植物の石炭化が進み、不純物が少ない」という理解をしましょう。
比較指標で言及される性質について以下のようにまとめました。
揮発分以外は、無煙炭>瀝青炭>亜瀝青炭>褐炭である、と覚えてしまうのが早いです。
(参考:出光興産株式会社 石炭とは より公害防止試験に寄せてまとめ)
石炭の品質 x 指標の意味合い
表の内容をまとめると、以下の通りです。
・石炭化度が高く、固定炭素量が多いため、燃料比が高くなる。
・水分量が少なく、揮発分も少ないため、発熱量が多い。
・他方、石炭化が進むほど着火・燃焼はしにくい。
・石炭化度が低く固定炭素量が少ないため、燃料比が低くなる。
・水分量が多く、揮発分も多いため、発熱量が少ない(水分蒸発で熱を取られる)
・他方、石炭化が進んでいないので着火・燃焼しやすい。
超極端な比喩をすれば
・高品質な炭:年季の入った「the石炭」。無駄な火炎は出ずに熱を発する炭火のイメージ
・低品質な炭:まだまだ日の浅い若手の石炭。水分が多く、火が立って燃える薪火のイメージ
です。
まとめ
公害防止管理者(大気関係)試験の「大気特論」で必出の、石炭の種類と特徴についてまとめました。
普段、直接的に石炭に触れることが少ない人でも、イメージできれば知識定着に繋がりやすいと思います。
大気特論では、燃料の種類と特徴に関する設問が必ず出題されます。
前回は液体燃料について解説しました。
残る気体燃料については、次回以降でまとめたいと思います。
それではまた次回、⛑ご安全に!⛑
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