公害防止管理者(大気関係)試験のいち分野である「大気特論」で
1~2問目に出題されるのは、各種燃料の特徴に関する記述です。
今回は液体燃料の種類と特徴について、過去問の出題傾向を踏まえて押さえたいポイントをまとめました。
試験では毎年必ず出題される分野で、確実に得点を稼ぎたい設問になります。
また、液体燃料を扱わないプラントはありません。
最低限の基礎知識として身に着けておきたい内容です。
受験の有無にかかわらず、是非一度目を通して各液体燃料の特徴を理解しておきましょう。
液体燃料の種類
主にガソリン、灯油、軽油、重油に関する記述問題が頻出します。
このうちの何種類かの特徴の比較か、それぞれの個別の特性に関する記述正否が問われる傾向です。
全般的な比較に関して覚えておくべきことは
①原油の蒸留で、沸点が低い順に生成される液体燃料なので、
沸点が低い・密度が小さい順に ガソリン>灯油>軽油>重油 であること
②各油が1種~、1号~で分類されるものがあり、分類基準は異なるものの、
分類したときの数字が若い方が、より高品質であること
の2点です。
(参考:一般財団法人日本エネルギー経済研究所 石油情報センター)
ガソリン
ガソリンの特徴と出題傾向
他の燃料と比較して密度が最も小さく、沸点も最も低い燃料です。
軽くて燃えやすい、身近な(ゆえに扱いを間違えると危険な)燃料で、
多くの人が自動車燃料として直接恩恵を受ける機会が多いため、特徴も理解しやすいと思います。
ガソリン分類は、オクタン値で以下の2つに分類されます。
・1号(ハイオク):オクタン値96以上
・2号(レギュラー):オクタン値89以上
オクタン値が高いということは、発火しにくいということです。
スポーツカーなどでハイオクが使われる理由は、異常燃焼によるノッキングが起きにくいためです。
ハイオク車もレギュラーで走れますが、性能が出ないということになります。
灯油
灯油も、ガソリンに次いで身近な液体燃料です。
我々の生活で直接恩恵を受ける機会が多いのは、暖房用の1号灯油です。
2号灯油は現在ほとんど生産されていません。
灯油は、用途によって2つに分類されます。
・1号灯油:厨房、暖房などの家庭用
・2号灯油:発動機用
1号灯油は家庭用のため、2号灯油より品質が良いです。
高品質=煙点(煙が生じない炎の高さ)が定められている、硫黄分が少ない
といった点が1号と2号の違いで良く出題されます。
軽油
軽油は、トラック・バスなどのディーゼルエンジン燃料として用いられます。
職種によっては、直接的に扱う人も多い液体燃料です。
軽油は、流動点によって5種類に分類されます。
特1号、1~3号、特3号の細かい分類に突っ込まれた出題は少なく、
分類の基準が流動点であることを覚えていれば十分です。
重油
重油は、原油を蒸留処理して最後に残る液体燃料です。
つまり、他の油燃料と比べると密度が大きく、燃えにくい(沸点が高い)ことになります。
原油タンカーの油流出事故などで見る、どろどろとした重い油のイメージです。
重油は、動粘度で3種(1~3種 or A~C種)に分けられ、
さらに1種1~2号、3種1~3号に細分化されます。
細かい数字をすべて覚えるのが大変であれば、
液体燃料に共通する「番号が若い方が高品質」である点を抑えて
番号が若い方が
・動粘度が低い(どろどろしていない)
・硫黄分量が少ない(SOxの発生量が少ない)
・水分や灰分が少ない(燃焼性が良い)
ことを覚えておけば、出題時の正否判断ができます。
各燃料について、細かい数字などを確認したい方は、下記が参考になります。
参考:ENEOS株式会社 石油便覧
まとめ
公害防止管理者(大気関係)試験の「大気特論」で必出の、液体燃料の種類と特徴についてまとめました。
各燃料の特徴は、身近な生活で扱うものも多いため、スッと理解しやすいかと思います。
燃料の特徴について問われる問題は必出ですが、
液体燃料だけでなく、気体燃料と個体燃料についても出題されるため
次回はそれらも簡単にまとめていきたいと思います。
それではまた次回!⛑ご安全に!⛑
👇2024年度向けの公害防止大気・水質関係、胴元である産業環境管理協会の過去問解説本はこちらから!
コメント