まずはここから!油圧・空気圧装置のメリット・デメリット

プラント設計情報

プラント設備では、アクチュエータを動かすために「油圧回路」「空気圧回路」がよく使われます。
しかし、いざ選定しようとすると「何が違うの?」「結局どっちが向いているの?」と迷いがちなポイントでもあります。

この記事では、初心者プラントエンジニアでも
“まずここを押さえれば大丈夫!”という指標をやさしく整理して解説します。
資格試験でよく出るポイントも紹介するので、実務にも勉強にも役立つ内容です。

油圧回路の特徴

油圧回路は、高圧の油を使って大きな力を正確に生み出せるのが最大の特徴です。

  • 大きな推力・トルクを得られる
  • 作動速度は比較的安定しやすく、荷重変動に強い
  • 制御性が高く、位置決め精度も優秀
  • 一方で、運用中の油漏れ・環境汚染と火災のリスク・メンテ工数が課題
  • 導入にあたり、油圧ポンプ・タンク・循環配管など装置構成がやや大掛かり
  • 周辺の温度変化の影響を受ける

ちょっと本音を言うと、油漏れに悩まされるのはプラントエンジニアの宿命みたいなところがありますね…😂
でも力仕事にはとにかく強い!


空気圧回路の特徴

空気圧回路は、クリーンさ・メンテナンス性・低コストが売りです。

  • 漏れても空気なので、環境への負荷や大きな事故・災害に繋がるリスクが小さい
  • コンプレッサ空気だめ送り配管のみで済むので、油圧装置と比べ導入コストが比較的安い
  • 反面、力は油圧より弱く、速度応答も遅く、位置決め精度も低め
  • 周辺の温度変化の影響を受けにくい

食品工場など「クリーン性」が大事な現場で大活躍するタイプですね👌

油圧回路・空気圧回路のメリット・デメリット一覧表

観点油圧回路空気圧回路
出力(推力)大きい小さい
応答速度速い遅い
位置決め精度高い低い
(空気の圧縮性のため)
速度調整容易・安定調整可能だが変動しやすい
温度の影響粘度変化に影響受けやすい比較的影響少ない
設備導入ポンプ、タンク、循環配管
などやや複雑でコストがかかる
コンプレッサ・空気だめ・送り配管
のみでシンプル比較的安価
漏れ時の影響環境汚染・火災リスクほぼ無害
メンテナンス改造漏れリスク等があるため
空気圧
回路よりも難しい
油圧回路よりも
比較的容易
コストイニシャルコスト高め
運転コストは中程度
イニシャルコストは安いが
必要空気量によっては

動力コストが嵩むことも

まとめ

油圧回路は「高出力と制御性」、空気圧回路は「クリーンで安全」と覚えると理解しやすいでしょう。
プラントエンジニアとしては、「求める機能」と「運用条件」のバランスを踏まえて選定することがポイントです。

油圧=力仕事向け、空気圧=クリーンで扱いやすさが求められる用途
このイメージが頭に入っていれば、現場での装置選定がグッと楽になりますよ👍

これらの知識は、保全技能士試験だけでなく、
施工管理技士や実際の設計業務でも活用できる重要なポイントです。

基本的な考え方を身につけて、試験では確実に得点しましょ
う!



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マコト

産業系(食品加工/製鉄/特殊金属加工/電子部品/半導体)、化学系(化学製品/火力発電/バイオマス発電)、環境系(産廃処理/下水処理)など、多岐に渡る業界のプラントで、設計・施工管理・試運転・保守管理の業務全般を経験したプラントエンジニア。
様々な視点から、プラントエンジニアやプラント業界に関わる方にプラスとなる情報を発信したいと思います。

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