工業用オイルやグリースを扱っていると
「ちょう度」「ちょう度番号」「粘度係数」といった専門用語がよく出てきます。
でも、意味は分かったつもりでも「じゃあ具体的に何を示す数値なの?」と聞かれると
ちょっとモヤッとしがちですよね😅
この記事では、初心者プラントエンジニアでも
“まずここを押さえれば大丈夫!”という3つの指標をやさしく整理して解説します。
資格試験でよく出るポイントも紹介するので、実務にも勉強にも役立つ内容です。

ちょう度とは
ちょう度(Consistency)は、グリースの“硬さ”を表す指標です。
オイルは流れやすさ(粘度)で評価しますが、グリースは半固体なので
“どれくらい沈むか”で柔らかさを判断します。
ちょう度の測り方
ちょう度にはいくつか測定方法があります。
- 未練りちょう度(Unworked):取り出したままの状態の硬さ
- 実用ちょう度(Worked):グリースを練り返して使用状態に近づけた硬さ
- 増練りちょう度(Prolonged worked):長時間使用した状態を模擬した硬さ
👉 現場でも資格試験でも、最も使われるのは 「実用ちょう度」 です。
実用ちょう度(一般的な測定方法)
測定の基本はとてもシンプルで、
グリースに円錐を落として“どれだけ沈むか”を見る試験です。
グリースを練り返して、使用に近い状態にしてから以下の手順で測定します。
- 25 ℃に温調した試料を用意
- 規定の円錐を試料に 5秒間 自由落下させる
- 沈んだ深さ(mm ×10)=ちょう度
👉要するに、25 ℃のグリースに規定円錐を5秒沈め、沈んだ深さ×10を「ちょう度」とする となります。
数値が 大きいほど沈みやすい=柔らかい、小さいほど沈まない=硬い と覚えればバッチリです👍
ちょう度番号とは
ちょう度の値を、分かりやすい“等級”にまとめたものが NLGIちょう度番号 です。
| NLGI番号 | 針入度の範囲 | 状態イメージ |
|---|---|---|
| 000 | 445〜475 | 非常に柔らかい(ほぼ液体) |
| 00 | 400〜430 | とても柔らかい |
| 0 | 355〜385 | 柔らかめ |
| 2 | 265〜295 | 標準的。もっともよく使われる |
| 3 | 220〜250 | やや硬め |
| 4〜6 | 175以下 | 非常に硬い |
👉 「NLGI 2」が標準的なグリースであることは、現場でも資格試験でも頻出ポイント。
ちょう度とは逆に、数字が大きいほど硬くなる、といのがややこしいです😅
ちょう度の測り方を覚えて、ちょう度とグリースの硬さの関係を理解したら
「その逆に数字が増えると硬くなるのが ちょう度“番号”」とセットで覚えると良いです。
粘度係数とは
粘度係数(Viscosity Index:VI)は、“温度が変わったときに粘度がどれくらい変化するか” を示す指標です。
- 数値が高い → 温度が変わっても粘度が安定している(高品質)
- 数値が低い → 温度上昇で粘度が下がりやすい。(低品質)
一般的な目安は以下の通りです。
| VI | 特徴 |
|---|---|
| 30〜70 | 古典的な鉱物油で温度による変化が大きい |
| 80〜120 | 工業用潤滑油の一般的な範囲 |
| 130〜180 | 高VI基油(PAOなど) |
| 200以上 | 特殊用途の超高VI |
👉 要するに 粘度係数=温度変化に対する粘度の安定性の指標 です。
試験でよく出るポイント
資格試験で頻出のポイントを簡単にまとめると…
出題例①
Q:グリースの“ちょう度”を測定する方法として正しいものは?
A. 回転粘度計
B. ペネトレーション
C. 蒸発残分
D. 引火点
→ 正解:B
(ちょう度=針入度=ペネトレーション)
出題例②
Q:温度によって粘度が変わりにくい性質を示す指標は?
A. 動粘度
B. 粘度係数
C. 密度
D. 清浄性指数
→ 正解:B
(粘度係数=粘度の温度安定性)
出題例③
Q:最も一般的なNLGIちょう度番号は?
A. 0
B. 1
C. 2
D. 3
→ 正解:C(NLGI 2)
まとめ
工業油やグリースの性状は、最初は少しややこしく見えますが
ポイントを押さえると一気に理解しやすくなります。
- ちょう度=グリースの硬さ
(25 ℃・5秒・沈み込み×10 👉柔らかいほど沈む=値が大きい) - ちょう度番号=ちょう度を分かりやすく等級化したもの
(NLGI番号で分類される 👉ちょう度と逆で硬いほうが値が大きい) - 粘度係数=温度変化に対する粘度の安定性
(数値が高いほど高品質 👉温度が高くなっても粘度が変わりにくい)
まずはこの3つを押さえておけば、現場での判断力も資格試験の得点力もグッと上がりますよ😊✨
これらの知識は、保全技能士試験だけでなく、
施工管理技士や実際の設計業務でも活用できる重要なポイントです。
基本的な考え方を身につけて、試験では確実に得点しましょう!
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