防水工事や塗料に関する問題は、建築施工管理技士試験において頻出分野の一つです。
また、建築士試験でも定番のテーマとして出題されるため、建築技術者としての基礎力を問われるポイントでもあります。
この記事では、よく問われる工法や材料の特徴を押さえ、試験対策としても活用できる知識を整理して解説します。
そして出題傾向のある過去問のポイントをわかりやすくまとめます。🛠️

防水工事
各工法の種類と特徴を覚えるとともに
平場部、立上部での重ね貼りの幅や折り重ねの順番は頻出ポイントなので要チェックです。
アスファルト防水
アスファルト防水は、溶融したアスファルトを使ってシートを貼り付ける工法です。
現場では、アスファルトを約260℃に加熱し、液状化させたものを使います。
- 使用材料には、以下のような種類があります。
- アスファルトルーフィング:一般的な防水紙
- ストレッチルーフィング:伸びがあり、動きに追従できる
✅ 試験対策ポイント
- アスファルト防水用アスファルトは、フラース脆化(ぜいか)点が低いほど低温特性が良い。
💡低温特性が良い=低温でも亀裂が入りにくい - 「アスファルトルーフィング1500」は、製品の単位面積質量(1500g/m²以上)を示す。
💡アスファルト含有量のことではないので注意! - 「ストレッチルーフィング1000」は、抗張積(こうちょうせき)(引張強さ×伸び率)の性能指標。
💡抗張積が大きいほどストレッチして耐久性も高い。
一般財団法人日本防水材料協会 アスファルト防水部会 のYouTubeチャンネルが
立ち上がり部、増し張り部など、具体的な施工ポイントを詳しく解説してくれていて分かり易いです。
過去問の文章や参考書のイラストだけではイメージが湧かない方は、視聴してみてください。
改質アスファルトシート防水
合成繊維不織布に改質アスファルトをしみこませたシートを使う工法です。
「常温工法」や「トーチ工法」などで施工可能で、耐候性や作業性が向上しています。

(参考:日新工業株式会社 改質アスファルトシート防水工法)
シート防水
ゴムや塩ビ系のシートを貼り付ける工法です。接着剤や溶着によって下地に固定します。
- 加硫ゴム系シート:伸びが良く、追従性に優れる
- 塩ビ樹脂系シート:耐候性が高く、屋上などで多用される
合成高分子ルーフィング協会 シート防水工法の仕様 のページに
各材料別の仕様選定や、工程写真を交えた施工手順がまとまっていて分かり易いです。
塗膜防水
ウレタンやFRPを塗って、継ぎ目のない防水膜を形成する工法です。
材料 | 特徴 |
---|---|
ウレタン塗膜防水 | 柔軟性があり複雑な形状にも対応しやすい |
FRP塗膜防水 | 高強度・高耐水性。ベランダなどによく使われる |
💡塗膜防水は価格も比較的安価で施工性が良いですが、耐久年数は他の工法より短めです。
塗料の種類と特徴
建築で使用される塗料には、溶剤系、水系、揮発乾燥型など多くの種類があり
それぞれ乾燥の仕組みや対象物との相性が異なります。
種類 | 乾燥の仕組み | 特徴 |
---|---|---|
合成樹脂調合ペイント | 溶剤の蒸発+酸化重合 | 耐久性があり、鉄部にも使用可能 |
合成樹脂エマルションペイント | 水分の蒸発 | 内装用で安全性が高く モルタル・ボードに適す |
つや有り合成樹脂 エマルションペイント | 水分の蒸発 | 光沢があり仕上げに向く |
アクリル樹脂系非水分散系塗料 | 溶剤の蒸発で樹脂が融着 | 密着性に優れ、外壁などに使用される |
クリアラッカー | 揮発乾燥性 | 速乾性があり 仕上げや木部の保護に最適 |
💡エマルション=乳化 に関連しているので水分がキーワード、と覚えると塗料の問題では〇×の判断に繋がります。
✅ 素地との相性一覧表
素地との相性についても頻出ポイントなので、特に相性が◎のものと×のものは覚えましょう。
塗料の種類/素地 | 木部 | 鉄部 | モルタル コンクリート | 石膏ボード |
---|---|---|---|---|
合成樹脂調合ペイント | 〇 | ◎ | × | × |
合成樹脂エマルションペイント | △ | × | ◎ | ◎ |
つや有り合成樹脂 エマルションペイント | △ | × (屋内は〇) | ◎ | ◎ |
アクリル樹脂系非水分散系塗料 | ◎ | ◎ | ◎ | × (ガラスも×) |
クリアラッカー | ◎ | △ | × | △ |
まとめ
防水工事や塗料は、設計だけでなく現場の施工管理でも重要な知識です。
それぞれの工法や材料の特徴、適材適所を理解しておくことで、試験対策だけでなく、実務にも大きく役立ちます。
特に、施工方法や材料の特性に関する○×問題は頻出ですので、しっかり押さえておきましょう!
これらの知識は、建築施工管理技士試験だけでなく、
建築士試験や実際の設計業務でも活用できる重要なポイントです。
基本的な考え方を身につけて、試験では確実に得点しましょう!
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