石材に関する知識は、建築施工管理技士だけでなく建築士試験でも頻出する重要テーマの一つです。
自然素材である石材は、種類ごとに性質や用途が異なり、施工現場での適切な選定が求められます。
本記事では、この記事では、石材の種類と特徴、使用される場面
そして出題傾向のある過去問のポイントをわかりやすくまとめます。🛠️

石材の種類と特徴
石材は自然の地質的作用によって生成された材料であり、その性質や見た目、使い方もさまざまです。
ここでは代表的な5種類の石材について、地質的な成り立ち・特徴・具体的な使用例を紹介します。
(参考:全国建築石材工業会 石の種類)
花崗岩(かこうがん)
分類 :火成岩(深成岩)
成り立ち:マグマが地中深くでゆっくり冷えて固まった岩石で、
石英・長石・雲母などが結晶化して構成されます。一般に「御影石」とも呼ばれます。
身近な例:商業施設の正面階段や、駅のロータリーの石畳など
特徴:
- 硬くて耐久性が高く、耐摩耗性があり、風化にも強いため屋外向き
- 耐火性は劣る
- 光沢を出すことができ、仕上がりが美しい
用途例:
- 建築物の外装材(外壁の仕上げ)
- 階段の踏面
- モニュメントや墓石
- 床の仕上げ(特に屋外の高耐久エリア)
大理石(だいりせき)
分類 :変成岩(接触変成岩)
成り立ち:石灰岩が高温高圧を受けて再結晶化し、美しい模様を持つようになった石材です。
身近な例:エレベーターホールの床や壁、住宅のカウンター天板
特徴:
- 緻密でなめらか、研磨により強い光沢が出る
- 加工性が良い
- 耐火性と耐酸性に劣り、風化しやすいため屋外利用には不向き
用途例:
- 内装材(壁面、床、柱の装飾)
- 洗面台の天板
- 高級ホテルのロビーやエントランスの仕上げ材
石灰岩(せっかいがん)
分類 :堆積岩
成り立ち:海中に生息した貝殻やサンゴなど、
炭酸カルシウムを含む生物の死骸が堆積してできた岩石です。
身近な例:美術館や文化施設の内装壁、博物館の展示台座
特徴:
- 柔らかく加工がしやすい
- 曲げや衝撃に弱く、耐久性は劣る
- 耐水性と耐賛成に劣り、屋外での長期使用には向かない
用途例:
- 内装の化粧板
- 彫刻やレリーフ
- セメントの原料
凝灰岩(ぎょうかいがん)
分類 :火山砕屑岩(堆積岩の一種)
成り立ち:火山噴火による火山灰が堆積・固結してできた軽石系の石材です。
身近な例:地方の古民家にある白壁の蔵、庭の灯籠
特徴:
- 非常に加工しやすく、彫刻や細工が可能
- 比較的軽量で扱いやすい
- ただし強度・耐久性が低い
用途例:
- 蔵の外壁
- 塀や石垣
- 石灯籠や装飾建材
砂岩(さがん)
分類 :堆積岩
成り立ち:砂粒が風化や水流で運ばれ、堆積して固まった石材です。
身近な例:欧米の教会建築や、古い洋館の外壁装飾
特徴:
- 加工性に優れ、細工が可能
- 耐火性が高く、高温にも強い
- 吸水率が高いものは凍害を受けやすい点に注意
用途例:
- 暖炉や煙突周り
- 石塀
- 壁面装飾
試験に頻出する選択肢とポイント
建築施工管理技士の試験で頻出する選択肢の文例と、それに対応するポイントを紹介します。
よく出る選択肢 ✅
✅ 「安山岩は、光沢があり美観性に優れるが、耐久性、耐火性に劣る」
➡ 誤り(×)※光沢は出ません。出題される代表的な石材のうち、磨いて光沢が出るのは大理石と花崗岩です。
✅ 「石灰岩は、耐水性に優れるが、柔らかく、曲げ強度は低い」
➡ 誤り(×)※耐水性に劣ります。海底に堆積した化石からなる堆積岩なので、耐水性や耐酸性に劣ります。
✅ 「凝灰岩は、強度、耐久性に優れるが、光沢が無く、加工性に劣る」
➡ 誤り(×)※耐久性は低いです。強度と耐久性は加工性とは相反するので文章としてもダウト。
こうした一問一答スタイルで出題されることが多いため
それぞれの石材の長所と短所をセットで覚えることが重要です💡
全国建築石材工業会でまとめられている、部位別工法のチェックポイントの一覧表が分かり易いです。
まとめ
石材は自然素材ゆえに種類ごとの性質の差が大きく、建築用途に合わせた適切な選定が必要です。
試験においては「加工性」「耐久性」「耐水性」「用途」などが頻出の比較ポイントになります。
実務でも、材料選定の知識があるだけで、設計者や石材業者との会話がスムーズになります。
ぜひ、各石材の成り立ちから特徴までセットで覚えておきましょう!
これらの知識は、建築施工管理技士試験だけでなく、
建築士試験や実際の設計業務でも活用できる重要なポイントです。
基本的な考え方を身につけて、試験では確実に得点しましょう!
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